「美味しい、これだ!」と思った野菜は、直接農家さんへ足を運んで確かめに行きます。
野菜の形や味からも、農家さんの愛情を感じますし、その通りの育ての親の農家さんに出会うんですよね。
直感は間違いなかったといつも思います。
苦労する事も沢山ありますが、やっぱり野菜を口にする皆さんの笑顔が大事です。
一昨年の話なんですが、小松菜に付いた小さな虫を皆で除去しました。ずーっとみんなでこの小松菜の列に竹串を持って並んで取るんですよ。
その年によってですけどね。大変なんですよ。
小松菜は、火にかけて、オリーブオイルさえあれば、さっとかけて食べる。そのままが一番ですね、やっぱり。
最初はこの土地でトマト中心で作ってました。ここの土地に来た当時はね、野菜の売り先がなくて、軽トラに荷物積んでずーっと売り回ってたんですよ。
「奥野農園」っていう名前は元からですけど、結局売り歩くのに「トマト屋」の方が皆覚えてくれるので「トマト屋」でした(笑)
福島で作っていたトマトは美味しいトマト産地だったので、それと同じトマトをここで作ろうと思っても出来なかったんですよね。
やっぱり土地の環境が違うから、自分本位でつくってやろうと思っても思い通りには行かないのが現実です。
環境に合ったものを作っていかないといけないし、やろうと思えば、農薬つかったり、化学構成の肥料使わないとダメだしね。
化成や化学肥料がなにもダメとかではないですが、今現在の環境に合わないんですよね。
化学肥料作るのに膨大な凄いエネルギーがいるんですよ。それを使わないでやれば、少しでも地球の温暖化を防げるし、環境も良くなるんで、出来るだけ使わない方が良いなと。
要するにね、人間が人工的に作るものではなくて、自然のある物を利用する方が優しいし、『自然力』を活かした野菜なんですよ。自分達の将来にも、孫とか、その先の世代に地球がなるべくいい状態で残してあげたいんです。
今現実的に凄い環境の変化があるし、恐らくこのままの状態でやってたら、20年持たん、と。もう大変な勢いで変化してるんですよね。
農業やっていれば環境の変化に気が付くんですよ。
毎年毎年全然違うんです。
だから、できる限りの事をやらないとね。
人間も幸せになれるし、そういうスタイルでやってるんで。
野菜を育てる上で、水はやっぱり大事なものです。野菜も良い水に反応して美味しくなるし、元気に良く育つ。
福島で作ってた時も水っていうのは、用水の中にイワナが泳いでるような澄んだ水でトマトを栽培していました。
山からの湧き水とかも、そのまま飲めるんですよ。夏なんかはホタルが凄い!星の数より多いくらい。
そういう環境だったので、なんとか同じようなのをこの土地でも作りたいから、水にもこだわって、珪藻土やゼオライトを使用した独自の水浄化システムを作りました。
うちの野菜たちを使いたいという話も色々あったんで、沢山はできないけど、少しくらいだったらお手伝いできるからということで、スーパーの中に自分たちのコーナーがあるんですよ。
沢山の方に、食べてもらえると、少しの味の違いとかも分かってもらえると思うんですよ。
売る側もそういう野菜を希望していたら、作る側も意識が変わってくると思うので、両方にとって良いのではないかと思います。